年賀状は、今後10年でゆるやかに消えていく可能性が高いと言われています。
日本郵便の統計によれば、2024年の年賀はがきの発行枚数は約14億4000万枚。
2003年のピーク時と比べると、実に4分の1まで減少したことになります。
この変化は、私の家庭でも感じています。
毎年家族で準備する年賀状ですが、「今年は減らそうかな」という声が夫から。
そして長女からは「ママ、おばあちゃん以外はLINEでいいんじゃない?」と提案されたんです。
確かに、若い世代にとって紙の年賀状は、もう古い習慣なのかもしれません。
この記事では、あなたも気になっているはずの年賀状文化の今後について、一緒に考えていきましょう。
年賀状文化の静かなる消滅:時代の変化とその影響
我が家では毎年、夫が宛名、私がメッセージ、
子どもたちがイラストを描く、
そんな分担で年賀状を作ってきました。
でも最近、この習慣にも少しずつ変化が訪れています。
「会社の同僚とはもうLINEで済ませない?」
と夫が言い出したり、
「学校の友達には年賀状いらないよね」
と子どもたちが言ったり。
特に印象的だったのは、次女のつぶやき。
「去年描いたイラスト、おばあちゃんすごく喜んでくれたけど、他の人には見てもらえたのかな?」
確かに、昔は玄関に飾られていた年賀状も、
今ではすぐに片付けられてしまうことが多いようです。
年賀状を書く枚数も、自然と減っています。
以前は100枚近く用意していましたが、今年は50枚程度。
SNSで日常的に連絡を取り合える時代、
年賀状は特別な相手だけに送るものに
なりつつあるのかもしれません。
伝統的な年賀状が消えていく理由と社会の動向
年賀状が減少している理由は、身近なところにあります。
先日、ママ友と話していて
「あ、そうなんだ」と気づかされました。
「子どもの写真、もうInstagramに載せてるから、年賀状に同じの使うのもなんだか変よね」
という言葉に、思わずうなずいてしまったんです。
経済的な面も見逃せません。
年賀はがき1枚63円、切手代を入れると100円近く。
100枚出していた時代と比べると、年間1万円の節約になります。
夫が「お年玉や新年会の費用も馬鹿にならないし」と言うのも、分かります。
でも一番大きな理由は、コミュニケーション方法の変化かもしれません。
義理の両親とはビデオ通話で顔を見ながら話せるし、友人とはSNSで日々の出来事をシェアできる。
「1年に1度の近況報告」という年賀状の役割が、薄れてきているんです。
デジタル化が進む中で年賀状が自然に消滅する未来
先日、通勤電車で気がついたことがあります。
まわりの乗客のほとんどがスマートフォンを見ています。
私も仕事でメールやビジネスチャットを使い、プライベートではLINEやInstagramが日常の一部。
そんな時代に、紙の年賀状は少しずつ姿を消していくのかもしれません。
ただ、面白い変化も見えてきました。
長女の学校では「デジタル年賀状コンテスト」が開催されたそうです。
タブレットで描いたイラストに、動きや音楽をつけて送り合うんだとか。
「おばあちゃんにも送りたい!」
と目を輝かせる子どもたちを見て、新しい形の年賀状が生まれているのを感じました。
実は、日本郵便もデジタル化に対応しようとしています。
スマホで年賀状が作れるアプリを提供したり、はがきに動画を埋め込めるサービスを始めたり。
でも、これって結局、紙の年賀状そのものが必要なくなっていく証拠なのかもしれませんね。
年賀状から見る日本文化の変遷:自然消滅への道筋
先日、押し入れの整理をしていたら、
母が大切に保管していた古い年賀状が出てきました。
達筆な文字で書かれた住所、心のこもった一言添え書き。
「これ、全部手書きなんだよ」と娘たちに見せると、
「すごーい!」と目を丸くしていました。
でも今、私たちの年賀状作りは随分と変わっています。
パソコンで宛名印刷、写真はスマホで撮って印刷、メッセージは定型文を選ぶだけ。
便利になった反面、一枚一枚に込められる想いは、少し薄れてきているのかもしれません。
年末年始のご挨拶という日本の素敵な文化は、形を変えながら続いていくのでしょう。
LINEの年賀スタンプ、InstagramのNewYearストーリーズ。
大切な人に想いを伝える気持ちは、デジタルでも変わらないはずです。
まとめ
年賀状は、ゆっくりと形を変えながら、私たちの生活から離れていくのかもしれません。
でも、新年に大切な人へ想いを伝えたい気持ちは、これからも変わらないと思うんです。
我が家でも今年は、おばあちゃんには手書きの年賀状を、友人にはデジタルの挨拶を、と使い分けることにしました。
長女が
「おばあちゃんへの年賀状だけは、やっぱり描きたい!」
と言ってくれて、少し安心しています。
時代は変わっても、心を込めて伝える大切さは、次の世代にも引き継がれているようです。